第22章 一触即発
『??』
杏は首を傾げる。
不「鬼を…喰ってるらしい。」
『………ぇ??』
不死川の言葉に目を見開き、抹茶を持つ手も止まる。
『鬼を喰うだなんて聞いたこともないですよ。
それ大丈夫なんですか??』
不「わからねェ。ただアイツが、鬼を喰ってまで戦ってきた、って言ったんだァ。」
不死川の静かな声に杏も眉をひそめる。
『そんな…副作用が何もないなんて考えられないですよ。』
不「あァ。俺もそう思ってる。」
不死川も抹茶を1度啜り、はぁ、と息を吐く。
不「最悪、鬼化するんじゃねぇかと思ってる。」
“鬼化”という言葉に青ざめる杏。
『鬼化…。そうだ、悲鳴嶼さんは何か知っているんじゃないですか??
今彼は悲鳴嶼さんのお弟子さんですよね??』
しかし、すぐに悲鳴嶼のことを思い出す。
不「もう聞いたァ。悲鳴嶼さんも最初は止めたらしいんだがァ、聞きやしねぇらしい。
仕方ないから継子ではなく弟子にしたらしい。」
『そうなんですね。しかし、身体のことについては私たちではわからないことが多いですからしのぶさんに相談してみるしかないですね。』