第22章 一触即発
不死川は視線を逸しながら経緯を説明する。
『なるほど。やっぱり玄弥くんについてで揉めたんですね。……まぁ、事情を知らない方からしてみれば、炭治郎くんの言葉が正論でしょう。』
抹茶を啜りながら静かに話す杏。
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炭「さっき弟なんかいないって言っただろうが!!
玄弥が何を選択したって口出しするな!
才が有ろうが無かろうが命を懸けて鬼と戦うと決めてんだ!!兄貴じゃないと言うんなら絶対に俺は玄弥の邪魔をさせない!!
玄弥がいなきゃ上弦には勝てなかった!!
再起不能なんかにさせるもんか!!」
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『確かにいくら柱といえど、玄弥くんの身内でもない柱に特に問題を起こしたわけでもなく、上弦ノ肆の討伐に大きく貢献した彼に鬼殺隊を辞めるよう強要する権利はありませんからね。』
ふぅ、と小さく息を吐き、言葉を続ける。
『しかし、再起不能にさせるのはいただけませんよ??炭治郎くんに殴りかかりたくなるのはまぁ、いけませんけどわかりますが、玄弥くんに目潰ししようとするなんて…』
不「アイツ…」
杏の言葉の途中で不死川がボソリと呟いた。