第22章 一触即発
不死川の頬には深緑色の風車のような痣が
杏には首筋に濃い桃色の桜のような痣が
発現していた。
『あ、消えていきますね。』
不「手合わせやめて心拍数が下がってんだろォ。」
『そういうことですか。
とりあえず今日はこれまでですね。』
すっかり消えてしまった痣に名残惜しさを感じつつも、不死川にニコッ、と微笑む。
不「そうだなァ。」
『よろしければ少しお茶していきませんか??
時間はたっぷりあるでしょう??』
ふふっ、と笑いながらそう尋ねる杏。
不「……あァ、じゃあ邪魔するぞォ。」
『はい。』
そっぽを向く不死川をクスクスと笑う杏。
『では、皆さん。
これにて見取り稽古は終わりです。
元の稽古に戻ってください。』
「「「「はい!!」」」」
ぱんぱん、と手を叩きながら、手合わせを見ていた隊士たちに笑顔で声をかける。
『祈里さん、音羽さん。』
バタバタと走っていく隊士たちを見ながら杏は祈里と音羽を呼びつける。
『私は少し屋敷に戻りますが、これまで通り稽古を進めてください。助言を求める方には助言して大丈夫ですから。何かあればすぐに呼んでください。』