第22章 一触即発
不「声はかけたぞォ。あいつらが。」
不貞腐れている様子の杏に不死川はニヤニヤとした笑みを向ける。
しかし、杏は不死川の言葉に驚いて目を見開く。
『あら、そうなんですか??
全然気づきませんでした。』
不「俺の気持ちが少しはわかったかァ??」
『そうですね。少しは…。』
満足気な不死川の顔を横目に杏は自分の右側の首筋に触れる。
その様子を見ていた祈里が不思議そうに首を傾げる。
祈「どこに痣がでたかわかるものなのですか??」
『え??…そうですね。
首筋が少し熱いような気がしまして。
薬を飲んでからは引いていってますが…ここにでてるんですか??』
祈「はい。」
音「よろしければこれを。」
頷く祈里の隣にいた音羽がゴソゴソと手鏡を取り出し、杏に手渡す。
『ありがとうございます、音羽さん。』
杏はお礼を言いながら手鏡を受け取り、覗き込む。
『…本当にここに出てたんですね。
これは…………桜、ですかね??』
痣を指でなぞりながら呟く。
不「だなァ。俺は風車かァ??」
『はい。そう見えます。』
不死川も手鏡を覗き込む。