第22章 一触即発
その場での連撃を放つ不死川。
杏と不死川を中心として砂埃が舞い上がる。
祈「けほっ、けほっ、」
音「…すごい。」
砂埃の中、なんとか薄目を開ける祈里と音羽。
しかし、砂埃のせいで中の様子を確認できない。
周りの隊士たちも咳き込みながら必死に目を開ける。
段々と砂埃が晴れ、様子が見えるようになってくる。
音「あ…、」
祈「木刀が…、」
砂埃が完全に晴れて見ることのできた杏と不死川は、互いの木刀が折れてしまっていた。
隊士たちがわぁっ、と歓声を上げるなか、祈里があることに気がつき声を上げる。
祈「あっ、杏さま!!」
音「痣が…!!」
祈里の叫びに杏を見た音羽も真っ青な顔で叫ぶ。
しかし、その叫びが聞こえていないようで杏は小さく息を吐いていた。
『ふぅ……。』
不「音白!!オラァ、飲めェ!!」
そこに先程の仕返しとばかりに不死川が祈里の手から薬を奪い取ると、杏の口に無理矢理宛てがう。
『むぐっ!?』
突然のことに杏は目を見開くが、薬だと気づいて大人しく飲む。
『ぷはっ、いきなりやめてください。
驚いたじゃないですか。』