第22章 一触即発
祈里はゴソゴソ、と隊服から2つの薬の入った瓶を取り出す。
不「………そうかよォ。」
『はい。だから大丈夫なんですよ。
さ、続きやりましょう。』
杏は手を合わせてニコニコと笑っている。
不「…そうだなァ。やるかァ。」
『その意気ですよ。』
さぁさぁ、と杏は落とした木刀を不死川の手に握らせる。
『もう1度合図お願いします。』
祈「はい。」
祈里と音羽は頷き、右手をあげる。
祈.音「「それでは………はじめっ!!」」
合図とともに再び始まる激しい打ち合い。
しかし先程までとは違い、痣を発現させた不死川が徐々に優勢になっていた。
『くっ、』
杏(これが痣者…!!)
なんとか捌きながらも追い詰められていく杏。
しかし、段々と自分の力が引き出されていくのを感じていた。
杏(より強い相手を闘うとより自分の力が引き出されていくっていうのは本当だったのね。
いつもよりも遥かに身体がよく動く。
身体が…熱くなっていくのを感じる。)
ー 桜の呼吸 参ノ型 狂い咲き ー
高速の突き技の繰り出す。
不死川は痣者の動体視力によりそれを躱し、技を放つ。
- 風の呼吸 肆ノ型 昇上砂塵嵐 -