第22章 一触即発
『え、なんなんですか、ほんとに。』
突然の大きな溜息に杏は眉をひそめる。
不「このまま続けたら次に痣がでるのはお前だろうがァ。まさか俺には飲ませといて自分は飲まねぇつもりじゃねぇだろうなァ??」
『そんなことないですよ。
私は死ぬつもりなんてないです。』
不死川の言葉に姉たちとの約束がある杏はとんでもない、と首を振る。
不「今俺に飲ませただろォ。
お前の分がねぇだろうがァ。」
不死川はガシガシと頭を掻き、ため息をつきながらそう答える。
漸く不死川の意図が杏に通じてたのか、杏はなるほど、と呟く。
『そういうことですか。
私の薬がないと心配してくれてたんですね。』
ふふっ、と笑う杏を不死川はギロリ、と睨む。
不「なに笑ってんだァ。」
『ふふっ、いえすみません。
心配してくれてありがとうございます。
でも大丈夫ですよ。』
不「何がだァ。」
『うちには祈里さんと音羽さんもいますから2つ多く頂いているんです。』
ね、と後ろで見ていた祈里と音羽に笑いかける杏。
突然話を振られた2人は慌てて答える。
音「あ、はい。」
祈「一応持ってきました。」