第22章 一触即発
周りで見ていた隊士たちは桜柱の取り乱す様など見たことがないため、ぽかーんとしている。
祈「杏さま!!持ってきました!!」
走って戻ってきた祈里から薬を受け取り、ポンッと栓を抜くと背伸びをして不死川の口へと宛てがう。
『ありがとうございます。
はやくこれ飲んでください!!』
不「ちょ、待て…!!おま…んぐっ!!」
何か言いたそうだった不死川に杏は無理矢理薬を飲ませる。
『飲みたくなくても飲まなくちゃいけないんです!!』
なんとか全部飲ませて漸く落ち着いたのか、杏はしゃがみこんで大きく息を吐く。
『はぁーーーー。…びっくりした。』
不「話聞けよ…。」
不死川はしゃがみこんでいる杏を見下しながらぼやく。
そんな不死川を杏はしゃがんだまま見上げる。
『なんですか??話って。
薬飲みたくない以外の何かあったんですか??』
不「薬が飲みたくなかったわけじゃねぇよ。
とりあえず、今日の訓練は終わりだなァ。」
頭を掻きながらそう言う不死川に杏は首を傾げる。
『え??なんでですか??
まだ決着ついてないですよ。』
不「はぁぁぁーー。」
首を傾げる杏に不死川は大きなため息をつく。