第22章 一触即発
そのとき、不死川を見ていた音羽があることに気づいて声を上げた。
音「っ!!杏さま!!風柱様の頬に風車のような痣が…!!」
『えっ!?』
音羽の叫びに杏は思わず動きがとまる。
不「オラァ!!どうしたァ!!」
杏たちのやりとりに気づいていないのか斬りかかってくる不死川。
慌てて不死川の木刀を自身の木刀で受け止めるも、体勢が不十分だったこともあり、大きくよろける。
『きゃっ、ちょっと!!
不死川さん待ってください!!』
不「あァ??本気でやれっつったのはお前だろうが。」
鍔迫り合いで杏が必死に叫ぶとようやく不死川が反応を示す。
動きが止まった不死川に杏は薬を持っているか確認する。
『とりあえず一時中断です!!
薬は持ってますか!?』
不「薬ィ??」
『痣の副作用を抑える薬です!!
この間しのぶさんに頂いたでしょう!?』
不「あァ、あれか。………屋敷に置いてきた。」
『頂いた意味ないじゃないですか!!
祈里さん!!私の執務室から薬取ってきてください!!』
祈「はい!!」
不死川の危機感の薄さに杏は思わず大きな声を出してしまう。