第22章 一触即発
祈「すみません、お待たせしました。」
裏山にいた隊士たちを引き連れて祈里が戻ってくる。
『では始めましょうか。』
そう言った杏は不死川と少し距離をとり、木刀を構える。
不「あァ。」
不死川も木刀を構える。
そのとき、ふと、杏が口を開いた。
『あぁ、そうでした。祈里さん、音羽さん。』
祈「はい??」
音「何でしょうか。」
声をかけられ、首を傾げる2人に杏はニコッ、と微笑む。
『祈里さんは私を、音羽さんは不死川さんをよく見ておくこと。いいですね??』
祈「はい!!」
音「わかりました!!」
元気に返事をする2人を見てうんうん、と頷く杏。
『では、合図お願いします。』
祈「はい。」
杏の言葉に頷くと、2人は右手を挙げる。
木刀を構える2人を見たあと、その手を一気に振り下ろす。
祈.音「「はじめっ!!」」
──ガッ
祈里と音羽の声が響いた瞬間、一気に間合いを詰めた杏が木刀を振り下ろす。
それを受け止める不死川。
自然と鍔迫り合いの形になり、杏が押され始める。
『っ、流石に、力じゃ敵いませんね。』
不「だろうなァ!!」