第21章 感覚強化訓練
杏はふむ、と顎に手を当てながら小さくうなづく。
『…そうなのでしょうね。
きっと戦闘中の機転もきくのでしょう。
それに、彼はとても素直に助言を受け入れますからね。それもあるでしょう。』
木刀を振るう炭治郎を見ながら杏は優しく微笑む。
音「この調子でいけば、竈門さんは今日中にも次へ行きそうですね。」
『えぇ。思っていたより吸収も早いですし、このまま一刻逃げ切るかもしれないですね。』
音「となると、次の柱は風柱様ですが…大丈夫でしょうか??」
風柱である不死川の鬼嫌いは鬼殺隊の中でも有名な話だ。
そんな不死川が鬼である妹を連れている炭治郎のことを嫌っていないわけがない。
そう考える音羽は心配そうに杏に問いかける。
『そうですねぇ。
まぁ、大丈夫ではないでしょうね。』
くすくす、と楽しそうに笑う杏。
音「面白がってませんか??」
『あら、まさか。炭治郎くんは不死川さんの地雷を踏み抜いていくでしょうけど、ちゃんと心配してますよ??』
音羽からの諫言を受けつつも、2人のやりとりを想像したのか、杏は未だにくすくす、と笑っている。
『恐らく、まったく噛み合わない会話をするのでしょうね。』