第21章 感覚強化訓練
音「そうですね。杏さまは桜柱様ですから。
いつも忙しくされてます。」
音(どれだけ休んでください、と言っても聞いてくれやしない…。)
炭「……本当に大変そうですね。」
音羽の真顔の裏に隠されたぼやきを鼻栓を外していた炭治郎にはわかってしまったらしく、ハハハ、と乾いた笑いを零す。
音「暫くは向こうにいらっしゃるでしょうから、何かご要件があれば私が伺いますよ。」
炭「あ、実は…ちょっとやり方、というか…なんというか…。」
てへへ、と頭を掻きながら炭治郎が言い淀んでいると、音羽はあぁ、と呟く。
音「ヒントでしたら杏さまから助言をするのは許可されていますから私でよろしければお教えしますよ。」
炭「いいんですか!?って、そういえば…祈里さんと音羽さんは稽古に参加されないんですか??」
助言が貰えるということに瞳を輝かせる炭治郎だったが、ふと疑問に思ったのか音羽に問いかける。
音「私たちはもうすべての柱の方々の稽古を終わらせましたので杏さまのお手伝いをしているんです。」
炭「え!?もう終わったんですか……??」
音「はい。岩柱様の稽古を終えて、ここで今皆さんが行ってる杏さまの稽古をしました。」