第21章 感覚強化訓練
サ「ワカッタワ!!」
杏と音羽は空高く飛んでいくサクラを窓越しに眺める。
『さて、炭治郎くんはどうかしら??』
そう呟いて稽古中の隊士たちに視線を戻す。
音「…苦戦してるようですね。」
『そうですね。特に炭治郎くんは戦闘中、嗅覚に頼っている節があるようです。』
ぎりぎりで躱しているが今にも木刀が当たりそうな炭治郎を見て苦笑を零す杏と音羽。
『まぁしかし…、常に五感がある状態で闘えるわけじゃないですからね。』
頑張っていただきましょう、と杏は微笑みながら話す。
『私は少し裏山の方を見てきます。
こちらはお願いしますね。
助言を求める方がいらっしゃれば教えて
差し上げてください。』
音「はい、承知いたしました。」
音羽が道場から出る杏を見送っていると、木刀に当たってしまった炭治郎がフラフラと近寄ってくる。
炭「あれ??杏さんは…、」
音「杏さまは裏山の様子を見に行っていらっしゃいますよ。」
キョロキョロと辺りを見渡す炭治郎に音羽が声をかける。
炭「そうなんですね!!裏山の方に…。
あちらもこちらも見なければいけないのは
大変ですね…。」