第21章 感覚強化訓練
『山では聴覚を鍛えました。
ここでは視覚を鍛えていただきます。』
炭「視覚…ですか??」
首を傾げる炭治郎に杏はニコッ、と微笑む。
『はい。山で鍛えた聴覚を消して視覚を鍛えます。』
炭「聴覚を消す…??」
頭に?マークがたくさん浮かぶ炭治郎に杏は微笑んだまま耳栓と鼻栓を手渡す。
『炭治郎くんは鼻が良いですから鼻栓もしてくださいね。』
炭「あ、はい!!」
炭治郎は慌てて受け取る。
『これから聴覚と嗅覚を消した炭治郎くんに気配
を消した隊士が斬りかかってきます。
一刻の間、身体に木刀が1度も当たらなければ私の
稽古は合格です。』
炭「視覚だけで捌き切るってことですね!!」
『その通りです。』
そう言って杏は炭治郎に木刀を渡す。
『技を使うのはなしですから気をつけてくださいね。』
炭「はい!!」
『炭治郎くんはそこの集団です。
斬りかかられる人は回していってくださいね。』
広い道場は4つに分けられており、4つのグループがそれぞれ稽古をしている。
杏はそのうちの1つを指差して炭治郎に指示を出す。
炭「わかりました!!」