第21章 感覚強化訓練
そのときの祈里の満面の笑みに戦慄したのは言うまでもない。
こんなに山に籠もったのは選別前の稽古以来なため、なかなかにダメージが大きかった炭治郎。
炭「杏さん…。竈門炭治郎…山から出ました…。」
ふらふらしながら道場を覗きながら杏に報告する。
『炭治郎くん。お疲れさまです。もうすぐで夕餉ですから今日はもう休んでていいですよ。』
杏はニコッ、と微笑んで今にも倒れ込みそうな炭治郎に指示を出す。
炭「はい……。」
そう返事だけして座り込む炭治郎。
そんな炭治郎の顔の横に瓢箪が突き出される。
音「お水どうぞ。」
炭「あ、ありがとうございます。音羽さん。」
音「いえ。」
炭治郎は道着姿の音羽から受け取った瓢箪で水を飲む。
音「山での稽古はどうでしたか??」
炭「大変でした…。祈里さんに鼻で敵意察知して逃げてるって言ったら鼻栓されてしまって…。」
音「そういえば竈門さんは鼻が良かったんでしたね。」
炭治郎のぼやきに音羽はあぁ、と呟く。
音「まぁ、まだ半分しか終わってないので頑張ってくださいね。」
炭「うっ、………はい。」
音羽の笑顔での地獄の宣言に炭治郎は声を詰まらせながらも小さく頷く。