第21章 感覚強化訓練
しかし、そんなことは考えも、思いつきもしない炭治郎は自力でなんとかしようともがいていた。
が、あともう少しで一刻というところで捕まった炭治郎。
祈「惜しかったですね、竈門さん。」
笑顔で出迎える祈里に背を向けて項垂れる炭治郎。
炭「もう1回行ってきます…。」
祈「あ、ちょっと待ってください。」
炭「なんですか??」
炭治郎は呼び止める祈里の方へと首を回す。
祈「2回以上捕まった方々にはヒントを差し上げているんです。竈門さんも2回目ですよね??」
炭「ほんとですか!?」
祈里の言葉に激しく食いつく炭治郎。
祈「はい。鬼と竈門さんとの鈴では音が違うことは杏さまからお聞きしていると思います。」
炭「はい。全然聞き分けられないですけど…。」
ズーン、とへこんでいる炭治郎。
そんな炭治郎に笑顔で肩を叩く祈里。
祈「初めは皆そうですから気になさることはないですよ。しかし、聞き分けられるようにならなければこの山からは出られません。」
炭「ですよね…。」
祈「こちらを聞いてみてください。」
そう言って手に2つの鈴を持つ祈里。