第21章 感覚強化訓練
焦る炭治郎の耳にかなり近いところで自分以外の鈴の音が聞こえる。
炭(誰かきた!!でも鬼なのか逃げてる人なのかわからない…。捕まったら先に進めないから逃げるしかない!!)
ダッ、と山道を走り出す。
最終選別を受けるまでの稽古場が山だったこともあり、特に苦労もなく山道を進む。
近くの木に登り、息を潜める。
すると、すぐに隊士の姿が見えた。
炭(きた…。鈴は…金だ。逃げてよかった…。)
ふぅ、と小さく息を吐く。
その瞬間、その隊士が突然こちらを向いた。
炭(…!!なんでバレ…、ていうか!!
なんか目隠ししてる!!)
音を立てたつもりはないのにこちらに気づいた隊士とその隊士が目隠しをつけていることに驚く炭治郎。
そして隊士が木を登ってきたため、慌てて逃げる。
炭(どうなってるんだ!?あの隊士、目隠ししてるのになんで俺が鬼じゃないってわかるんだ!!
鈴の音を聞き分けてるのか!?
俺には同じにしか聞こえないけど!!)
距離を取るべく木の枝を使って地上ではなく、空中で逃げる。