第20章 事件
『もうそんなところまで…、不死川さんのところも終わったんですか??』
不「あァ。凄ぇ気迫だったぞォ。」
し「ふふっ、凄いですね。
ちなみに、カナヲはまだ甘露寺さんのところです。
甘露寺さんのところで少し苦戦してるみたいです。」
後輩たちの頑張りに楽しそうに笑う。
『みんな頑張ってますね。私も頑張ります。』
し「えぇ。杏さんはまず身体を万全にすることです。何かあったらすぐに呼んでくださいね。」
『はい。』
手を振って病室を出ていくしのぶに軽く頭を下げる。
『不死川さんは屋敷に戻らないんですか??』
病室を出ていく気配のない不死川にそう尋ねる。
不「花柳と佐々木以外はお前のとこ終わってからしか来ねぇからなァ。暫くは暇なんだよ。」
不死川はそう言って杏の頭をぐしゃぐしゃと撫でる。
不「あいつらが来るまでは居てやるから大人しく寝てろォ。」
『はい。ありがとうございます。
でも髪が乱れるのでやめてください。』
お礼を言いつつも、ぐしゃぐしゃと頭を撫でる不死川の手を軽く叩く。
不「へいへい。」
ぐしゃぐしゃと撫でるのは大人しくやめてくれ、頭をぽんぽんと優しく叩かれる。
その温もりを感じながらうまく動かない身体をなんとか動かし、横になった。