第4章 柱合裁判
いたずらが成功した子供のような顔で笑う杏を見ながら、少し表情を緩める不死川。
こうして笑っていると年相応に見える。
不「それにしても、お前さんの蹴りの威力は相変わらず凄まじいなァ。」
杏を誂うように話す不死川。
『あら、前にもくらったことがあるかのような言い草ですね。』
負けじと嫌味ったらしく言い返す杏。
不(お前ならノッてくると思ってたぜェ。)
フッと笑い、杏を見下ろしながら話し始める不死川。
不「そうだなァ。
……たしかあれは、去年の柱会でだったかァ??」
その瞬間、杏の顔から先程までの余裕が消える。
『あ、あれはっ!!』
不「どうしたァ。
随分と焦ってるみてぇじゃねぇかァ。」
ニヤニヤとした笑みを浮かべる不死川。
『っ、もう忘れてくださいよっ!!
大体あれは全部宇髄さんが悪いんじゃないですかっ!!』
必死に抗議する杏。
不死川に掴み掛かりそうな勢いだ。
不「そうだなァ??宇髄の野郎に騙されて酒のんだお前さんがやったことなんて全部宇髄のせいだよなァ。」
クックッと笑いながら自身に掴み掛かりそうな杏の頭を軽く抑える不死川。