第4章 柱合裁判
『不死川さん!!』
産屋敷邸の庭から出ていこうとする不死川に後ろから声をかける杏。
不死川は立ち止まり、杏の方にふり返る。
『先ほどはすみませんでした。
お腹思いきり蹴ってしまって…。』
そう言って軽く頭を下げる杏。
不「別に大丈夫だァ。
…お前が許せなかったってのもわかってる。
………こっちこそ、悪かった。」
怪我自体は既に痛みも引いていたため、大丈夫だと告げた後、少しバツが悪そうに呟くように謝った。
そんな不死川の謝罪に一瞬キョトンとした顔をしたあと微笑む杏。
『不死川さん、今度私の屋敷にいらっしゃいませんか??お詫びにお茶くらい出しますよ。』
不「大丈夫だって言って…」
『おはぎ。ご馳走しますよ??』
不死川の言葉に被せるように話す。
いたずらっ子のような瞳で不死川を下から見つめる。
不「…行く。」
“おはぎ”という単語に反応した不死川は少し迷ったあと、行く、と返事をする。
『ふふ、では明日はどうですか??』
不「大丈夫だァ。一応、行く前に鴉を送る。」
『はい。お待ちしております。』