第19章 柱稽古
お風呂から出て、髪の水分をとり椿油を塗りこむ。
夜の警備のため隊服に身を包む。
いつも通り、サイドハーフアップで小さくお団子を作り、杏の花の簪をさす。
黒の詰襟を片手に居間へと足を進める。
小「音白様。丁度、お食事の準備ができました。」
『ありがとうございます、小鳥遊さん。』
御膳を置く小鳥遊にお礼を言い、御膳の正面に座る。
『いただきます。』
手を合わせ、味噌汁を啜る。
杏(温かい…。)
温かい味噌汁に、ふぅ、と一息つく。
すべて食べきり、手を合わせる。
『ごちそうさまでした。』
御膳を持ち、台所へと運ぶ。
小「私が下げますから置いておいていただいて大丈夫ですよ。」
台所にいた小鳥遊が慌てて杏の手から御膳を取る。
『いえ、いつもありがとうこざいます。』
ニコッ、と微笑む。
そんな杏に小鳥遊は覆面で見えないが、僅かに頬を染める。
小「いえ、この任務につけていることが光栄ですから。ご遠慮なさらないでください。」
『光栄だなんて…大変でしょう??』
杏は眉を下げて困ったように笑う。
小「まさかそんな!!
他の隠たちから羨ましいって言われてます。」