第19章 柱稽古
ブンブンと首を振る小鳥遊。
小「桜柱様は何が好きなのか、とか湯浴みと夕餉どちらを先にとか、聞いてくるやつもいますよ。」
『皆さん物好きですね…。』
ふふっ、と笑っていると、玄関からの声が響く。
不「そろそろ行くぞォ!!」
『不死川さん。では、行ってまいります。』
小「はい。どうぞお気をつけて。」
小鳥遊の声かけにニコッ、と微笑み、玄関へと駆けていく。
『すみません、不死川さん。
おまたせしました。』
慌てて黒の詰襟と羽織を纏い、日輪刀を腰にさす。
不「2人分の地区回るからな。急ぐぞォ。」
『はい。』
パタパタ、と走って屋敷を出た。
不「………。」
『不死川さん??』
屋敷の門を出てすぐ何処かを見て静止した不死川に声をかける。
『どうかされました??』
不「いや、なんでもねェ。行くぞォ。」
『あ、はい。』
どこか不自然な不死川の態度に首を傾げながらも後を追った。
こちらを見ている視線に気づかずに……──