第19章 柱稽古
『当然のことですが、柱の稽古は生易しいものではありません。私が普段行う稽古よりも厳しいものになるでしょう。もちろん私も普段よりずっと大変な稽古をするつもりです。』
祈「うっ、」
音「それは…、」
普段の稽古を思い出し、青ざめる2人。
そんな2人に杏は追い打ちをかける。
『そんな稽古のなかで毎晩こちらに戻ってくるなんて…きちんと休まなくてはダメです。
そんな無茶は許しませんよ。』
少し厳しく言葉をかける。
杏の普段はしない厳しい物言いにしゅん、となる祈里と音羽。
祈「しかし杏さま、私たちは杏さまが心配なのです。何故かもわからずに鬼舞辻無惨に狙われているというのにお傍を離れることなど…。」
音「それこそ稽古に集中できないです…。」
『…その気持ちは有り難く受け取っておきます。
しかし総力戦となったとき、私は貴方たちの側にいられるとは限りません。もし貴方たち2人だけで上弦ノ鬼と対峙することになれば、今の貴方たちでは確実に負ける。』
優しく微笑みながら2人を諭す杏。
『大丈夫ですよ。そうだ、隠の方にでも屋敷に常駐していただくようにお館様にお願いしてみましょう。決して私が1人にならないように。』
良い案だと言わんばかりに手を合わせてニコニコと笑う。