第4章 柱合裁判
柱「御意。」
揃った声で返事をする柱たち。
それぞれがそれぞれの表情。
悲「それでは、失礼いたします。」
柱を代表して悲鳴嶼がお館様にそう告げ、立ち上がる。
悲鳴嶼に続き、他の柱たちも頭を下げ、立ち上がる。
皆が部屋から出ていくとき、お館様が1人に声をかける。
お「杏。少しいいかい??」
1番後ろにいた杏はすぐにお館様の正面に戻り、跪く。
『どういたしましたか??』
お館様は皆が部屋から出たことを確認して、杏に話をはじめた。
お「杏。柱合裁判でのこと、実弥に謝らなくてはいけないよ。」
『……。』
いつもお館様のご意向ならば、すぐに了承する杏が押し黙る。
不死川がとった行動はお館様を敬愛する杏には許しがたいことだったからだ。
そんな杏の心中を察してか、お館様が話を続ける。
お「君に許せないことがあるように、実弥にも許せないことがある。禰豆子のことはまさにそれだったんだ。
分かってあげてほしい。」
まるで親が我が子にするように杏を諭す。
『…御意。』
お「よかった。」
心底、嬉しそうに微笑むお館様。