第17章 刀鍛冶の里-強襲

その禰豆子が、“自らの命を犠牲にして鬼から人を守る”という選択肢を選び取ったのだ。


杏と時透は驚きで言葉が出ない。


鍛「うわああああ！！駄目だ！！駄目だ！！」


しかし、刀鍛冶たちの悲鳴を聞き、我に返る。


鍛「ギャアア！！」


鍛「追いつかれ…！！」


半天狗に頭を掴まれる刀鍛冶たち。


──ドン


炭治郎が頭を掴んでいた腕を斬り落とす。


炭「命をもって！！罪を償え！！」


そう叫びながら振り抜いた炭治郎の日輪刀は心臓の中に隠れていた本体の頸を斬り落とした。


バラ…、と崩れ去る半天狗。


フラフラと揺れ、地面に手をつく炭治郎に刀鍛冶たちが近づく。


炭（勝った…。禰豆子を犠牲にして…。
日の光に焼かれて禰豆子は骨も残らない…。）


最愛の、唯一残った妹を失ったことから絶望に染まる炭治郎の視界。


しかし、その異常事態にずっと禰豆子を見つめていた杏と時透がすぐに気がついた。


『うそ………。まさか、そんな…。』


時「初めて見た…。」


杏は口に手を当て、ポロポロと涙を零す。


時透はその1点を見つめ、額から冷汗が落ちる。


炭治郎も刀鍛冶たちに促され、ようやく杏と時透の視線の先を見た。