第17章 刀鍛冶の里-強襲
焦る杏の隣で時透は何か考えていた。
徐に抱えていた2人を降ろし、鋼鐵塚から刀を奪った。
鋼「っ、何をっ…!!」
時「………っ、」
──ブンッ
『…っ!!』
その刀を炭治郎へと思い切り投げた。
杏は思わず目を見開く。
見事にドスッ、と炭治郎の目の前に刺さる。
時「使え!!」
炭「と…」
時透の声に振り返った炭治郎は顔を綻ばせる。
時「炭治郎それを使え!!」
鋼「返せ!!ふざけるな!!殺すぞ使うな!!第1段階までしか研いでないんだ!!返せ!!」
叫ぶ時透の首を掴みにかかる鋼鐵塚。
鉄穴森が慌ててとめようとするが、あまり効果がない。
時「夜明けが近い!!逃げられるぞ!!」
鋼「くそガキ!!」
鋼鐵塚がついに時透を殴ろうとした瞬間、杏がその腕を押さえつけた。
『炭治郎くん!!急いで!!』
その姿を見て目の前の刀を掴む炭治郎。
炭(時透くん、杏さん。ありがとう!!)
──ドォン
激しい踏み込みから一瞬で鬼へと近づき、その頸に刀をあてる。
半「カッ、」
─ ヒノカミ神楽 円舞一閃 ─
一振りで半天狗の頸を斬り落とした。
小「斬った…!!やった…!!」