第17章 刀鍛冶の里-強襲
鋼鐵塚はそれでも尚、刀を研いでいる。
『行きましょう。』
時「喋ると舌噛むから気をつけて。」
──ダッ
返事をする間もなく走り出す杏と時透。
杏が先行し、鬼の気配がする方へ走る。
杏(そんなに遠くない…。でも、)
ある1つの懸念が頭に浮かぶ。
『もうすぐ夜が明けます。
速度上げてもいいですか??』
時「大丈夫です。」
時透の返事を聞いてすぐ、速度を上げる。
杏(微かに戦闘音が聞こえる。夜明けが近くなれば、鬼は最後の力を出してくる。急がないと…。)
焦る気持ちを抑えながら、鬼の方へとひたすら足を動かす。
杏(…ん??鬼殺隊士の気配がもう1つ…
これは柱…??誰か応援で呼ばれたのね。)
上弦の鬼を炭治郎たちだけで相手取っているわけではないことがわかり、少しホッ、とする。
そのとき、
──ドォン
『っ!?なに、今の音…。』
時「急ぎましょう!!」
『えぇ!!』
辺りに大きな音が響き、そちらへと走る。
開けた崖の上に出た。
『あれは…炭治郎くん!!っ、鬼に刀が食い込んでる…!!あれじゃ、』
時「………。」