第17章 刀鍛冶の里-強襲
杏は静かに涙を流す時透の頭を優しく撫で続ける。
『本当に、よく頑張りましたね。』
時「杏さん。」
『どうしました??』
話しかけてきた時透に優しく微笑む。
時「無事で、良かったです。」
その言葉に杏は目を見開くが、すぐにニコッ、と笑う。
『…ありがとう。』
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『あ、そういえば鉄穴森さんは…』
落ち着き、鉄穴森がいないことに気づく杏。
小「鉄穴森さんなら鋼鐵塚さん引きずってこっちに来てますよ。」
『引きずって…??』
小鉄はしれっ、と爆弾発言を落とすため、杏は困惑していた。
小「鋼鐵塚さん、今刀を研いでるんですけど手を止めると駄目だからってやめないんですよ。
まぁ、そろそろ来ると思いますよ。」
鉄「鋼鎧塚さん!!
そろそろ自分で歩いてくださいよ!!」
小鉄の言う通り、未だにジャコジャコと刀を研ぎ続けている鋼鐵塚に大声をあげる鉄穴森が鋼鐵塚を引きずりながら連れてきた。
鉄「音白殿!!ご無事で良かったです!!」
置いてきてしまった杏のことが気がかりだったのだろう、杏の姿を見てホロリ、と涙を零す鉄穴森。