第17章 刀鍛冶の里-強襲
時(杏さん…杏さん…。)
杏の名を心のなかで叫びながら走る。
時(どこだ…この辺りのはず…。)
キョロキョロと、辺りを見渡す。
そのとき、視界の端に自分も閉じ込められていた水の壺が映り、そちらを見る。
時「…!!」
その水の壺に閉じ込められているのは杏だった。
杏の姿を見つけられたことにほっ、としたのも束の間、杏の様子を見て顔から血の気が引いていくのを感じた。
時「杏さん…!!」
仰向けで水の中にいる杏。
その目は閉じられており、口元からは気泡が漏れ出ていた。
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