第17章 刀鍛冶の里-強襲
それと同時に視界が跳ねる。
──ドム
そして、ゴロゴロと転がる世界を見て、玉壺はやっと自身の状況を理解した。
玉(…!?きっ??きっ…!!
斬らっ…斬っ…、斬られた!?斬られた、斬られた、斬られたアアア!!!)
冷汗と激しい動悸がとまらない玉壺。
玉(そんな!!馬鹿な!!信じられぬ。
とんでもない異常事態だ…!!
私が負けたのか!?子どもに……!!
私が!!この私が!!)
何百年と生きてきた自分が柱とはいえ、手負いの子ども1人に負けたことが信じられない玉壺。
──霞の呼吸 漆ノ型 朧
動きに大幅な緩急をつけ敵を撹乱
姿を見せる際は亀のように遅く
姿を消す際は瞬き1つの間
その最高速度は上弦ノ伍である玉壺をも上回った。
すでに手負いの時透が上弦を倒す。
確かにこれはとんでもない異常事態だった。
玉「くそオオオ!!あってはならぬことだ!!人間の分際で!!この玉壺様の頸をよくもォ!!おぞましい下等生物めが!!貴様ら百人の命より私の方が価値がある!!
選ばれし!!優れた生物なのだ!!」
時「…」
ギィィィィと、悔しさを露わにして叫ぶ玉壺。