第17章 刀鍛冶の里-強襲
玉(ヒョヒョッ。遅い!!)
──フォ
殴り付けた瞬間、再び時透の姿が消える。
玉(何だ!?何故消える!?どういうことだ!?奴はどこへ行った!?)
確かに、時透がいるところを殴りつけているはずなのに、玉壺の攻撃は無一郎に掠りもしない。
この状況には、さすがの玉壺も焦りを募らせる。
玉(これではまるで、まるで、
霞に巻かれているような…。)
──フォ
背後に気配を感じ、すかさず拳を振るう玉壺。
──ブン
しかし、それも空を切る。
そのとき、時透が口を開いた。
時「ねぇ、君は、君はさ、なんで“自分だけが本気じゃない”と思ったの??」
──ヒュッ
玉壺のすぐ隣を時透が通る気配がした。
それと同時に、玉壺の視界が反転する。
玉(何だ??何だ??天地が逆だ。
何が起きてる。感覚が消えた。)
そんな玉壺の目にやっと映る逆さの時透の姿。
玉(あの餓鬼、やっと姿を見せた。早くカタをつけて無惨様に報告せねば…。)
そう考える玉壺へ時透が話しかける。
時「お終いだね。さようなら。お前はもう二度と生まれてこなくていいからね。」