第17章 刀鍛冶の里-強襲
玉「ヒョヒョッ。安い挑発だのぅ。この程度で玉壺様が取り乱すとでも??勝ちたくて必死なようだな。見苦しいことだ。」
時透は玉壺を見て首をかしげる。
時「うーん、うーん。」
玉「ヒョヒョッ。何だ??」
杏のときもそうだったが、なんだかんだ話を聞いてくれる玉壺。
時「気になっちゃって…。なんかその壺、形歪んでない?左右対称に見えないよ。下っ手くそだなぁ。」
この時透の指摘にさっきまで余裕だった玉壺の表情が変わった。
玉「それは貴様の目玉が腐っているからだろうがアアア!!!」
怒りのあまり、いくつもの血管から血が吹き出す玉壺。
“堪忍袋の緒が切れる”とはまさにこのこと。
玉「私の壺のオオオオ!!
どこが歪んでるんだアアア!!」
- 血鬼術 万滑空粘魚 -
玉「1万匹の刺客がお前を骨まで喰いつくす!!私の作品の一部にしてやろう!!!」
1万匹の魚が迫るなか、時透は冷静に技を出す。
──フゥゥゥゥ
- 霞の呼吸 陸ノ型 月の霞消 -
時透の技に玉壺も思わず目を見開く。
玉(ぜ、全部斬りおった!!この速度と攻撃範囲!!私の毒はどこへ行った。想定外だが、しかし問題はない。日輪刀で斬られ塵となる前に粘魚が撒き散らす体液は毒だ。しかもこの毒は皮膚毒。皮膚からも吸収される。浴びれば終わり…。)