第17章 刀鍛冶の里-強襲
昔聞いた鉄井戸の話を思い出す。
時(鉄井戸さん、ごめん。心配かけたなぁ。だけど、俺はもう大丈夫だよ。)
しっかりと前を見据え、刀を構えた。
─ 霞の呼吸 伍ノ型 霞雲の海 ─
素早く蛸足を全て斬り刻み、玉壺の頸へと刀を振るう。
──ザン
しかし、玉壺は素早く壺へ潜り込み、木の上へと移動する。
玉「素早いみじん切りだが壺の高速移動にはついて来れないようだな。」
木の上から勝ち誇ったように話す玉壺。
それに対し、時透も表情を変えることなく言い返す。
時「そうかな?」
玉「何??」
時「随分感覚が鈍いみたいだね。
何百年も生きてるからだよ。」
──バッ
頸元から血が吹き出し、玉壺は顔色を変える。
時「次は斬るから。杏さん助けに行かなくちゃいけないからお前のくだらない壺遊びにいつまでも付き合ってられないし。」
その言葉に対し、玉壺が青筋を浮かべた。
玉「……舐めるなよ、小僧。」
静かに怒る玉壺の言葉に対し、時透は飄々としたまま言い返す。