第17章 刀鍛冶の里-強襲
これには玉壺も驚かずにはいられない。
玉(まだ刀を研いでいる。
馬鹿か??真面ではない…。)
最早若干引いているが、鋼鐵塚も玉壺にだけは言われたくなかったであろう。
玉「それもまたよし…。
あの刀鍛冶より先に柱だ。」
そう言うと、血鬼術の蛸に捕まった時透を見上げた。
──ギチギチギチ
鉄「うぐぇっ、」
蛸の足で圧迫され、共に捕まっている鉄穴森は思わずえずく。
それに対し、時透は涼しい顔のまま玉壺を見ている。
玉壺は時透を捕まえたことにより余裕の笑みを浮かべる。
玉「先程は少々手を抜き過ぎた。今度は確実に潰して吸収するとしよう。」
その時だった──
──ババッ
玉「!?」
斬り落とされた蛸足がボトボトと落ちる。
鉄穴森の持っていた鞘からはいつの間にか刀身が抜かれており、白く染まった美しい日輪刀が淡く光る。
時「俺のために刀を作ってくれてありがとう。“鉄穴森さん”。」
そんな時透の感謝の言葉に鉄穴森は思わず涙を浮かべる。
鉄「…!!いや いや、私は…あなたの最初の刀鍛冶の書き付け通りに作っただけで……。」