第4章 柱合裁判
じっと、しばらく杏の目を見つめていた禰豆子は自分に対する視線に先程とは違い、悪意が籠もっていないことを確認しモゾモゾと箱の中に入る。
その禰豆子の姿を確認し、禰豆子の頭を撫でる杏。
気持ち良さそうに目をつむる禰豆子。
スッとお館様の方へ向きなおり、再び跪く。
『お館様、大変失礼いたしました。
ご無礼お許しください。』
お「大丈夫だよ、杏。」
杏に優しく微笑むお館様。
お館様の声が、静かに響く。
お「炭治郎、それでもまだ禰豆子のことを快く思わない者もいるだろう。」
お館様の声に、炭治郎はすぐさま頭を下げる。
お「証明しなければならない、これから。炭治郎と禰豆子が鬼殺隊で戦えること、役に立てること。」
炭(何だろうこの感じ、ふわふわする…。)
お「十二鬼月を倒しておいで。
そうしたら皆に認められる。
炭治郎の言葉の重みが変わってくる。」
炭治郎は不思議な高揚感に包まれていた。
炭(声?この人の声のせいでふわふわするのか?
不思議な高揚感だ…!!)
炭「俺は…俺と禰豆子は、鬼舞辻無惨を倒します!!俺と禰豆子が必ず!!悲しみの連鎖を断ち切る刃を振るう!!」