第4章 柱合裁判
しかし、柱たちはそれだけでは納得しなかった。
また反対され、禰豆子がケガをするかもしれない。
そう考えた炭治郎は焦る。
しかし…、
『それがお館様のご意思でしたら、私は異論ありません。』
あっさりと認めた杏は、スッと禰豆子の頸から刀を離し、鞘におさめる。
お「ありがとう、杏。」
『いえ。…しかし、万が一お館様に危害を加えるようなことがあれば迷うことなく頸を落とします。』
禰豆子をちらりと見て、お館様に静かに告げる。
炭「そんなことにはなりません!!」
それまで焦りながらも黙っていた炭治郎が言葉を発する。
それまで炭治郎の声には一切反応がなかった杏が初めて、炭治郎の声を聞き、彼の方を向いた。
『…そう。私もお館様のご決断を無駄にはしたくないから。頑張ってね。』
お館様には心からの笑顔を向けていたが、作られた微笑みを炭治郎に向ける杏。
炭「…っ!はいっ!!」
『さぁ、あなたも早く箱の中に入りなさい。』
炭治郎の言葉には目もくれず、禰豆子に箱に戻るよう促す。