第17章 刀鍛冶の里-強襲
ガ、と玉壺の頸に時透の日輪刀が入る。
すると、玉壺は再び手から壺を出した。
──ドパ
その壺の中から大量の水が溢れ無一郎を飲み込んだ。
─ 血鬼術 水獄鉢 ─
──トプン
そのまま血鬼術により無一郎は水で出来た壺に閉じ込められてしまった。
玉「窒息死は乙なものだ。美しい。そして頸に刃を当てられてヒヤリとする感じ。これはとてもいい…。“青い彼岸花の娘”の刀ではヒヤリとはしなかった。」
そんな事を言ってる玉壺のそばで時透は脱出を試みる。
けれど、日輪刀で突いても破れない粘性のある水の膜。
時(駄目だ。斬れない。)
時透のその姿を見て玉壺はまた薄く笑う。
時「鬼狩りの最大の武器である呼吸を止めた。もがき苦しんで歪む顔を想像すると堪らない。ヒョヒョッ。」
「カァァーーーーー!!」
時(…!!鴉の声…!!サクラか…??杏さんに何か…??)
突然、辺りに響き渡った鴉の叫び声にハッ、とする時透。
玉「思っていたより時間をとられてしまった。はやくせねば“青い彼岸花の娘”が窒息死する。死なせるわけにはいかない。」