第17章 刀鍛冶の里-強襲
堪えきれなくなったサクラが飛び立つ。
時「サクラ、待って。」
サ「ナニヨ!!」
時透に足を捕まれ飛べなかったサクラは涙目で叫ぶ。
時「杏さんに何かあったら叫んで。できるだけはやく行くようにするから。」
時透の言葉にサクラは涙を一筋零しながら頷く。
時透はサクラが飛び立ったのを確認して、ユラユラと揺れている玉壺へと視線を戻す。
玉「ヒョヒョッ。初めまして、私は玉壺と申す者。殺す前に少々よろしいか。今宵、三方のお客様には是非とも私の作品を見ていただきたい!!」
何本もある腕をバッ、と広げる玉壺。
時「作品??何を言ってるのかな。」
玉「ではますこちら!!」
玉壺は至極興味のなさそうな時透の言葉を無視して手を叩く。
すると、またどこから現れたのか壺が現れ、ゴポと音がなる。
そして、その壺から現れた玉壺曰く“作品”に鉄穴森と小鉄の顔がさらに青ざめた。
玉「“鍛人の断末魔”でございます!!」
それは里に住む刀鍛冶の息絶えた姿だった。
刀が刺さり、ひょっとこの面が割れ、血まみれの顔が見えている。
あまりにも残酷な姿に鉄穴森と小鉄は言葉を失う。