第17章 刀鍛冶の里-強襲
サクラの問いかけに小屋のそばの茂みにひっそりとある壺を睨みつけながら答える。
サ(…あの壺!!まさか………。)
サクラは見覚えのある壺に青ざめていく。
──ガサッ
玉「ヒョッ。」
壺が動き、茂みを揺らす。
玉「よくぞ気づいたなぁ。さては貴様、柱ではないか。まさか里に柱が2人もいたとは…。」
壺からもぞもぞと出てくる鬼。
時透の後ろでその様子を見ていた小鉄は勿論だが、鉄穴森は小鉄よりもさらに顔色が真っ青になっている。
ひょっとこ面をしているため見ても分からないが…。
玉「そんなにこのあばら屋が大切かえ??
こそこそと何をしているのだろうな。
ヒョッヒョッ。」
鉄「お、音白殿…。」
時「杏さんがどうしたの??」
玉壺を見てカタカタと震える鉄穴森。
鉄「わ、私は少し前まで音白殿と一緒にいました。そこにあの鬼が現れて…音白殿は私に時透殿の刀を任せて先に行ってくれと言われ…逃してくださいました。その鬼がここにいるということは…。」
時「まさか…杏さんが…。」
鉄「音白殿は日輪刀を持っていないのです…!!私がお貸しした小刀しか…!!」
サ「杏…!!」