第17章 刀鍛冶の里-強襲
手元に武器がないという状況を悟り、顔から血の気が引いていく。
杏(水の中…血鬼術…??)
辺りを見渡し、自分が水の中に閉じ込められていることを確認する。
玉「“青い彼岸花の娘”…。まさかこれほどとは思っていなかった…だがその水獄鉢からは出られまい。」
水の膜をグイグイと押す杏に笑いながら近づいてくる玉壺。
杏(この水の膜破れない…。)
玉「私たちの本来の任務は刀鍛冶の里の壊滅だ。
お前を捕らえることができたのは良いことだが、仕事はせねばならん。
里を壊滅させたあとで迎えに来る。
ヒョヒョッ、まぁお前が窒息死する前には出してやる。」
杏(まって…!!)
声が出せない杏の制止など気にもとめず、玉壺は鉄穴森が走り去った方向へと消えていった。
杏(里を壊滅…そんなのだめ…。
だれか……!!)
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──同時刻、飛ばされた時透は元いた屋敷に戻るため走っていた。
時(かなり飛ばされた…。
はやく戻らなくては…。)
そんな時透の視界の端に巨大な金魚の鬼に襲われている子供の姿が映った。