第17章 刀鍛冶の里-強襲
同じ技をくらわせたとき、童磨は驚きの声をあげはしたがよろめくことはなかった。
杏(僅かだけどよろめいた…!!
こいつは童磨より弱い…!!今のうちに…!!)
そう判断し、跳び上がる。
右足を高く上げ、玉壺の脳天めがけて思い切り振り下ろした。
所謂、踵落としをくらわせる。
玉「ぐぁっ、」
綺麗にはいったことを確認し、そのまま玉壺の頭を踏みつけ、背後へと移る。
それなりの衝撃があったのか、玉壺はまだ動かない。
杏(上弦ノ陸が討伐された今、上弦ノ伍は上弦の鬼の中でも末席。とはいえ、上弦。こんな小刀じゃ倒せないけど、時間稼ぎくらいはしてみせる…。
今動かないのは多分目が回っているから。
だったら、今が好機…!!)
未だ動かない玉壺の頸に後ろから小刀を振るう。
─ 血鬼術 水獄鉢 ─
──トプン
杏(……え??)
突然のことに驚き、目を見開く。
玉「ヒョヒョヒョッ。やはりこれで連れて行くのが1番だ。いやはや、流石は柱。頸に刃を当てられたのはいつぶりか。」
飄々とした様子の玉壺の頸に小刀がほんの少し食い込み刺さったままだった。
杏(え??なに??小刀…頸に…??
っ!!今、私丸腰…??)