第17章 刀鍛冶の里-強襲
杏(大丈夫。私は落ち着いてるわ。)
小刀を構えなおす。
『では、参ります。』
グッ、と踏み込み、駆け出す。
玉「そのように短く小さい刀で何ができると言うのだ??」
『それは、やってみなくちゃわからないでしょう??』
体術を組み合わせながら小刀を振るう。
杏(向こうが攻撃してこないから戦えてるだけ…。もし血鬼術でも使われたら終わりね。)
玉壺は杏が疲れるのを待っているのだろう、杏から繰り出される攻撃をひたすら避けている。
杏(背後だけはとられないように…小刀が決めだとは考えない、私なら蹴りである程度のダメージは与えられる。)
頭の中を必死に巡らせながら身体を動かす。
杏(血鬼術は殺傷能力が高いから使ってこないはず。私を捕まえたいんだもの。
それにこいつらはいつも無傷で連れて行こうとする。途中でそれが難しいと判断したら致命傷にはならない小さな傷はつけにくるけど…。)
大丈夫、まだ体力は持つ…、と小さく呟き、技を放つ。
─ 桜の呼吸 参ノ型 狂い咲き ─
5連続の突き技。
玉「うっ、」
最後の最大の威力の突きをくらい、よろめく玉壺。