第17章 刀鍛冶の里-強襲
バッ、と後ろを振り返る。
『鉄穴森さん!!無一郎くんの、霞柱の時透無一郎くんの担当刀鍛冶さんをご存知ですか!?』
自分の背後にいた鍛穴森に慌てて尋ねる。
杏(無一郎くんが今もっているのはあの絡繰人形の日輪刀。あの日輪刀は決して悪い刀ではないけれど古すぎる。刃毀れもかなりしてたはず…。
そんな状態で鬼と闘うなんて…その辺の雑魚鬼ならいいけれど、刀鍛冶の里を見つけられるだけの探索能力を持つ鬼…上弦の可能性が高い。
もし、無一郎くんが今上弦の鬼と対峙したら…全力を出せない。そんな状態で勝てるほど上弦の鬼は甘くない…。)
唇を噛みしめながら必死に頭を回す。
鉄「時透殿の担当刀鍛冶は私ですが…??」
『え…!?』
手を上げ、しれっと答える鉄穴森に目を見開く杏。
『っ、では無一郎くんの新しい日輪刀は今どこに…!!』
鉄「それなら鋼鐵塚さんが作業してる小屋に…」
『今すぐ向かいましょう!!』
鉄「あ、はい…!!」
慌てて日輪刀の所在を尋ね、すぐさまその場所へ向かう。
杏(もし無一郎くんに会えたらすぐに渡せるようにしなきゃ…。)