第17章 刀鍛冶の里-強襲
刀鍛冶の里は巧妙に隠されている。
そのことに安心して警戒をしていなかった。
鉄穴森と穏やかに話しているときに、そのときは、突然訪れた。
──バギャア
鉄「うわぁ!!」
突然聞こえた大きな音に驚く鉄穴森。
杏も音がしたほうをバッ、と見る。
杏(…なに??嫌な予感がする…。
まさか、この刀鍛冶の里に…??)
頭に浮かんだ最悪の想定を振り払うことができず、集中して気配を探る。
そして愕然とした。
杏(この気配…鬼!!しかも…2匹いる??いや、大きい気配は2つだけど、弱い気配もかなりの数あるわ。どうして今の今まで気づかなかったのよ…!!今私の手元には日輪刀がない…。
戦えない、守れない…。)
隣りにいる鉄穴森に視線を向ける。
闘う力のない刀鍛冶、守らなくてはいけない。
杏(……私が叫んで聞こえる範囲に隊士のいる気配はないわね。…やるしかない。たとえ日輪刀がなくとも、頸が斬れなくても、誰かが来てくれるまで人々を守る。それが柱である私のやるべきこと…。)
覚悟を決め、前を見据える。
しかし、ハッとあることに気がつく。
杏(まずい…!!)