第16章 刀鍛冶の里
頬をあかく染め、俯きながら話す。
『好きな人いるんでしょ、って…。』
サ「オ姉サン達トハ気ガ合イソウダワ。」
杏はもごもごと小さな声で話すが、サクラは楽しそうに笑っている。
『あと…ぼやぼやしてたら誰かに盗られちゃうわよって言われたわ。』
サ「ソレハ確カニソウネ。顔ハ怖イケド、柱ダモノ。人気ハアルデショウネ〜。」
『…やっぱりそうなのかしら。』
サ「ソリャソウヨ〜。助ケテモラッタ娘ナンカハ好キニナルンジャナイ??」
『…………そうよね。』
うーん、と唸り、考え込む杏。
サ「ソンナニ難シク考エナクテモイイノヨ??
好キナラ好キデイイジャナイ。」
『…でも、不死川さんが受け入れてくださるかしら。色恋なんかに現を抜かして…だらしないと思われないかしら。』
サ「ドウシテソウ思ウノ??」
『だって…今まで私はそんなの興味ないって言ってきたのよ??それを急に…、それに不死川さんは本当に色恋に興味なんてないと思うのよ…。』
はぁ、と溜息を零す。
サ「恋スル乙女ニナッタワネ〜。」
『なによ、誂ってるの??』
サ「違ウワヨ、ヤット年頃ノ女ノ子ミタイニナッテクレテ嬉シイノヨ。」