第16章 刀鍛冶の里
『そうね…。サクラ、私ね、姉さんたちと約束したのよ。天寿を全うする。姉さんたちの分も生きる。誰よりも幸せになるって。』
杏の話にサクラは黙って耳を傾ける。
『痣を出現させれば、この約束を守れるかわからなくなる。でも、それでも…姉さんたちの仇をとるには、鬼舞辻無惨を倒すには“痣者”にならなくちゃいけない。』
サ「ソウネ、貴方ハ柱ダモノネ。」
『…うん。私は鬼殺隊を支える8つの柱の1人。
やれることはやらなくちゃね。
折角しのぶさんがたった1週間で薬を完成させてくれたんだから。』
グッ、と薬の入った瓶を握りしめる。
擦り寄ってくるサクラの身体を優しく撫でる。
『それにしても、煉獄さんと宇髄さんに代わる新しい柱がいないのはちょっと困るわね…。まさか後進がこんなにも育っていなかったなんて。』
サ「ソコハ気長ニイクシカナイワヨ。
ナンナラ祈里ト音羽ガ近インジャナイ??」
『祈里さんと音羽さん…その手がありましたね。』
ぼやく杏をサクラが嗜める。
サ「ソウイエバ姉サンタチト約束シタッテ言ッテタケドイツ約束シタノ??子ドモノ頃??」
『夢の中でよ。この前眠っていたときに夢に出てきてくれたの。』