第16章 刀鍛冶の里
杏(身体が燃えるように熱くなった…大体何度くらいなのかしら。燃えるように、ということはかなり高くなるはず…。全集中の呼吸自体も身体に相当な負荷がかかる…その負荷がこれまで以上に大きくなるということ…??この間考えていた仮説…絶大な力を得ることの代償……それは寿命の前借り、ということかしら。)
一切の身動きをせず、考え込む杏の様子を見て炭治郎はワタワタと慌て始める。
炭「あ、杏さん??大丈夫ですか??」
『………えぇ。大丈夫ですよ。』
心配そうにこちらを見てくる炭治郎にニコッ、と微笑む。
杏(…本当にそうかはわからないし、帰ってしのぶさんと話してみよう。)
そう考え、祈里と音羽にも視線を向ける。
『私は少し散歩してきます。
お2人は先に戻っていてください。』
祈「でしたら、私たちも…」
『大丈夫ですよ。ここに鬼が来ることはないでしょうし、もう記憶が戻ってるから頭痛もないですから。』
音「…わかりました。」
杏の有無を言わせない笑顔に何も言えなくなり、引き下がる。
『ではまた。夕餉までには戻りますね。』
祈「はい。」
『そうだ。お2人にも薬渡しておきますね。
痣が発現したらすぐに飲んでください。』