第16章 刀鍛冶の里
突然現れた鉄穴森が鋼鐵塚の脇を擽ると、鋼鐵塚は涙を流しながら悲鳴を上げる。
炭「あっ、鉄穴森さん!!
ご無沙汰してます!!」
以前、自分と伊之助の刀を持ってきてもらったときに面識のあった炭治郎が小鉄を起こしてあげながら名前を呼ぶ。
鉄「お久しぶり、炭治郎くん。それから、桜柱の音白殿ですね。はじめまして、刀鍛冶の鉄穴森と申します。」
『あ、はい。はじめまして。この子たちは私の護衛役をしてくれている花柳祈里さんと佐々木音羽さんです。』
突然現れた鉄穴森にしばらくぽかーん、としていたが、サッ、と起き上がり挨拶を済ませる。
鉄「鋼鐵塚さんはくすぐられるとしばしグッタリとしますので私から説明しましょ。」
隣でグターとなっている鋼鐵塚を放置したまま話し始める鉄穴森。
鉄「鋼鐵塚さんを許してやってくださいね。山籠りで修業していたんですよ。」
炭「修業??」
そう話している間に小鉄はグターとなっている鋼鐵塚にビビビ、と小石を投げつけていた。
鉄「そう。君を死なせないようもっと強い刀を作るために。素直に言わないけれどね。」
炭「俺のため…。」
ホワワーンと嬉しそうにする炭治郎。