第16章 刀鍛冶の里
しかし、まだ刀からは手を離さないため、炭治郎たち4人は必死に引っ張る。
尚も、任せろ…、俺に任せろ…、とうわ言のように繰り返す大男。
『何を任せるって言うんですか…!!
そもそもあなた誰です…!?』
柱の中で筋力だけでいえば下からは2番目で腕力に自信がない杏。
プルプルと震えながら声を荒げる。
炭「この人は俺の担当刀鍛冶の鋼鐵塚さんです…!!」
『…え??この人が…あのときの鋼鐵塚さん!?』
なんとか声を絞り出した炭治郎の言葉に間の抜けた声が漏れる杏。
炭治郎が時透に手刀を入れられ、気を失っていて目を覚ます前、杏も鋼鐵塚を見ていた。
杏(え??あのときは普通の体型だったわよね…??)
杏は困惑し、腕の力が緩んでしまった。
その瞬間、
鋼「俺に任せろって言ってるだろうが!!」
『きゃっ、』
祈「ひゃあ、」
音「わっ、」
小「ぶへ、」
炭「うわあああ!!大人のすることじゃない!!」
──ギュルルル
と思い切り振り払われ、全員が地面に転がってしまった。
鉄「少年たちよ。鋼鐵塚さんの急所は脇です。
ここを狙うのです。」
鋼「ひゃひゃひゃひゃひゃ…」