第16章 刀鍛冶の里
不死川が度々言っていた言葉を思い出す。
時「杏さんはこれからどうされるんですか??」
『私は…置いてきた書類仕事に戻らなくてはいけませんね。』
はは…、と笑いながら置いてきた書類たちを思い出す。
もうしばらくは終わりそうにない。
時「僕は温泉行ってきます。汗かきましたし。」
『それはいいですね。
ゆっくりしてきてください。』
ニコッ、と微笑み、時透に手を振りその背中を見送る。
『さて、私たちも戻りましょう。
慌てて出たから散らかってるわよ、きっと。』
肩にとまるサクラにちょっとした嫌味をとばす。
サ「仕方ナイデショ。慌テテタノヨ。」
『まぁいいわ。確かに柱と一般隊士の揉め事なんてなかなかないものね〜。』
サ「ソウヨ。……ココ最近ノ柱ト一般隊士ノ揉メ事ハ全部竈門炭治郎ネ。」
『………そういえばそうね。まぁ、今は祈里さんと音羽さんが近くに付いてるし、大丈夫よ。』
大丈夫、と言いつつも、溜息をつく杏。
杏(目下の厄介事が増えていくわね…。)
そんなことを考えながら屋敷に戻る。
投げ捨てて放置しておいた書類を拾い上げ、整理をすすめた。